















先頃、各メーカー様から、秋の新機種が発表されました。多くはオーソドックスなセブン機タイプでしたが、その中にあって異彩を放っていたのが豊丸産業さんの「CR餃子の王将」です。
タイアップと言えば、映画、ドラマ、アニメ…といった物が目立つ中、まさかの(失礼)有名外食チェーンの看板を模した役物デザインも目を引くことながら、ゲージ構成、アナログ感のある役物、あえて液晶を排除した図柄表示、T1Yが破格の約3000個、20%強という、決していたずらに射倖性を高めていない大当りの連続割合…と、とにかくどこまでも個性的な機種です。
メーカーさんのコンセプトは「たんパチ」。
驚「嘆」する面白さ、簡「単」遊技、「短」時間でも楽しめるゲーム性…の3つの「たん」を持ち合わせた遊技機という思いが込められているそうです。
実は、「たんパチ」については、以前から豊丸産業さんの構想を伺い、他の業界関係者様方ともども、私も社外アドバイザーという立場で微力ながらその登場を支援させて頂いた経緯もあり、感慨深いものがあります。
正直、「たんパチ」は、登場即、現在のパチンコシーンの主役になることはあり得ないでしょう。当然、メーカー様はもとより、我々社外アドバイザーも、それは覚悟の上のことです。しかし、パチンコメーカー様は、パチンコシーンの主役だけをリリースしていれば、それでバランスの良い市場が形成されてゆくのでしょうか?
決してそうではないことは、現在のパチンコ店の稼動状況、ファン人口の減少を見れば明白です。私は、よく当館のお客様から、「今までで、パチンコが一番面白かったのは、いつごろだと思いますか?」と問われます。そんな時、私は躊躇うことなく、「昭和56〜59年です。」と断言しています。理由は、パチンコを取り巻く規制が比較的緩かったことにも起因していますが、何よりパチンコが、お客様の「持ち時間」「予算」という個人的な事情に合うよう多彩に存在していた時代だからです。
それゆえ、パチンコはヘビーユーザーだけの物ではなく、例えば会社の昼休み、飲食店の中休み、家事の合間、仕事帰り…と、わずかな時間に楽しむ人が多くいたのです。そうして培ったファン層は、ピーク時には3000万人を超える規模にまでなり、パチンコは「国民的娯楽」という評価を得たというわけです。
翻って、近年のパチンコは、当たらなければ高額の投資を余儀なくされ、当たればいつ終わるとも知れず、いずれにせよ、長時間遊技可能な人しか楽しめません。ゆえに、自称「熱狂的パチンコファン」の私でさえ、遊技に参加する機会が減少し、例え遊技しても、パチンコではなく、極めて不本意ながらパチンコほどの時間を要しないパチスロにシフトせざるを得ない状況が続いていました。
(「ジャグラー」を始めとする告知系パチスロのユーザーには、少なからず私と同じ思いの方がいると思われ、彼らが楽しめるパチンコがあったなら、より、パチンコ店への来店頻度、遊技機会を、さらに引き上げる余地はあると思います。)
そこで「たんパチ」を始めとする、現行機にない短時間でも楽しめて、なおかつ、単なる時間消費に留まらないパチンコ本来の血湧き肉躍るようなスリリングなゲーム性を有したパチンコが求められていると、メーカー様も、我々、アドバイザーの業界関係者…とりわけ、ビジネスとしてのパチンコという視点に偏向せず、本質的にパチンコが好きであり、なおかつ、一定以上のパチンコの歩みを理解している者達も、共通認識を持っています。
特に、メーカー様が、利益を二の次にして、パチンコの将来を案じ、このような機種を、可能な限りの低価格でリリースして下さることは、大英断として賛辞を送りたいと思います。
さて、このような経緯で登場した「たんパチ」というジャンルの遊技機ですが、これを育てるか否かは、パチンコ店の方々、ファンの方々の捉え方にかかっております。パチンコ店の方々におかれては、どうか、可能な限り「たんパチ」の魅力をファンの方々にアピールし、固定ユーザーを育成して頂きたくお願い致します。
「たんパチ」というジャンルは、定着すれば、過度な遊技機の入れ替えも要さず、利益確保にも資するという期待も持てます。
導入は、まずは、若干台でも良いと思います。が、徐々にお客様が定着するようであれば、壁際の1シマでも構いません、私のように日ごろあまり長時間の遊技ができず、短時間で納得のいく遊技をしたいと考えているユーザーが心底楽しめるコーナーの創設をお願いしたいと思います。
以上のような点をふまえ、「たんパチ」第一弾、「CR餃子の王将」が一定の評価を得て、他のメーカー様も含め「たんパチ」的遊技機が定着してゆくことを、私は心から望んでおります。
そしてもし、その願いが叶うようであったなら、パチンコの未来に新しい可能性が花開くという思いが、私には致します。
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